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金融経済におけるアルファ値(アルファち、)とは、特定の証券に対する投資家の「期待(投資)収益率」と、資本資産価格モデル()による「均衡(期待投資)収益率」との差を指す。市場で形成される証券価格の歪みを表す尺度として利用される。最初にアルファ値に対して統計的検証を行ったの名を冠してジェンセンのアルファ()と呼ばれることもある〔企業年金連合会 ジェンセンの測度(ジェンセンのアルファ) 〕。 == 概要 == アルファ値は現代ポートフォリオ理論(MPT)や資本資産価格モデル(CAPM)を基礎とした投資の効率性基準である。同様にMPTやCAPMを基礎とした投資の効率性の基準としてシャープ・レシオとトレイナーの測度がある。CAPMを実際のデータに適用するには、通常以下の線形回帰式に最小二乗法を適用する。 : ここで は安全資産の金利であり、 は時点 における株式 の収益率、 は市場ポートフォリオの時点 における収益率である。また は平均0の誤差項である。 もしCAPMが成立しているのであれば、CAPMの定義より は0でなくてはならない。なぜならば上の線形回帰式の期待値を取れば : となり、これをCAPM : と比較すれば、 でなければならないことが分かる。 よってこの が0より大きいとしたら、それはCAPMの不成立を表しその株式からは平均的に超過リターンが得られることになる。つまり理論から逸脱するという意味で異常な期待リターン値を表す以下の : のことをアルファ値と呼ぶ。右辺第1項は株式の期待収益率で第2項はCAPMにおける期待収益率なので、確かに差になっていることが分かる。 マイケル・ジェンセンは上述の推察に基づき、アルファ値によって投資信託が均衡リターンから逸脱する利益を計画的に得られているかを実証的に検証した論文を1968年に発表したが、そのような計画的な利益を得られた投資信託が存在したという証拠は薄いと結論付けている。 また、ここではCAPMが均衡リスクプレミアムの決定式として用いられたが、ファーマ=フレンチの3ファクターモデルなどの他の資産価格モデルが均衡リスクプレミアムの決定式として用いられることがある。ジェンセンのアルファと呼ばれる際はCAPMを均衡リスクプレミアムとして用いていることが多い〔企業年金連合会 ジェンセンの測度(ジェンセンのアルファ) 〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「アルファ値 (金融経済)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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